Quiet Riot – Metal Health[レビュー]

  


1983年3月11日発売


1. Metal Health
2. Cum On Feel the Noize (Slade cover)
3. Don’t Wanna Let You Go
4. Slick Black Cadillac
5. Love’s a Bitch
6. Breathless
7. Run for Cover
8. Battle Axe
9. Let’s Get Crazy
10. Thunderbird


80年代ヘヴィメタルブームの勢いを象徴するこの時代ならではのポップメタルアルバム

全米でNo.1を獲得したQuiet Riotの3rdアルバム。
ミドルテンポでキャッチーでスケール感のあるコーラスを持ったMetal Health(Bang Your Head)が1曲目で掴みはバッチリ。
その後もひたすらポップでキャッチーで大衆受けしそうな楽曲が並ぶ。
煌びやかなグラムメタルの時代を象徴するような作品だ。

出色の出来なのは元ギタリストだった故ランディ・ローズに捧げられたバラードThunderbirdだろう。
希望に満ち溢れた美しいメロディに酔い痴れることの出来る感動のバラードソングである。
似たような陽気なハードロックソングが続く中最後にこの曲があることでアルバムを引き締めている。
アルバムの長さが約41分程と非常に気軽に聴けるのも良い。
聴き疲れすることなく一気に聴くことが出来る。

確かに全体として質は高く良質なハードロックアルバムではあるが、これが全米No.1に値する作品か?と言わると疑問な部分もある。
エンターテイメントとして中々良く出来た作品であると思うとともに、若干浅はかすぎるきらいがあるというかシンプルすぎてアート性が希薄なのではないかとも思う。
この作品が全米No.1になったということ自体が当時のヘヴィメタルブームの大きさを物語っていると言えよう。
ブームに乗って売り上げた作品の一つでありメタル史に名を残す程のアルバムではないというのが個人的な意見だ。
最近メタルを聴き始めた若者が敢えてこのアルバムを選んで聴く理由はあまりないと思う。
この路線ならそれ以降にもっと良いアルバムがたくさんあると思うからだ。

しかしアルバムの完成度としては中々のものではあるし、この時代のグラムメタルに興味がある人にとっては名盤の一つであることは間違いない。
当時のヘヴィメタルブームの匂いを感じることが出来るアルバムだ。
ちなみに全米シングルチャートで5位を記録した2曲目のCum On Feel the NoizeはSladeのカバー曲である。

点数 84

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