Lucifer – Lucifer III[2020][新作レビュー]

  


1. Ghosts
2. Midnight Phantom
3. Leather Demon
4. Lucifer
5. Pacific Blues
6. Coffin Fever
7. Flanked by Snakes
8. Stay Astray
9. Cemetery Eyes



元The Oathのボーカルのヨハナ・サドニスが結成したハードロックバンドの3rdアルバム。

元The Oathのボーカルのヨハナ・サドニスが結成したハードロックバンドの3rdアルバム。
The Hellacoptersのニッケ・アンダーソンが前作からドラマーとして参加している。
初めてこのバンドを聴いたが、確かにこの女性ボーカルはハスキーボイスによる妖艶なボーカルスタイルを持っていて非常に魅力的。
ニッケ・アンダーソンが惹かれたのも納得である。

音楽性としては所謂70年代の往年のハードロックの雰囲気を醸し出すレトロ系のバンドである。
全体的にタバコの煙漂うような渋さがある。
70年代のハードロックと言ってもカラっとしたアメリカンな雰囲気ではなく、ドゥーミーさやオカルティックな雰囲気を特徴としたスタイルである。
その音楽スタイルとヨハナの妖艶なボーカルスタイルが非常にマッチしていて、独特な雰囲気を作り出している。
70年代にいたかもしれないなと思わせられる部分もあるが、やはり何処か現代的でもある。

楽曲レビュー

1曲目のGhostsからオカルティックな怪しい雰囲気が炸裂している。
ギターソロパートに入ると更に混沌としていくのが面白い。
2曲目のMidnight Phantomはキャッチーなコーラスを持ったこのアルバムのハイライト的な曲。
ヨハナのボーカルが冴え渡っている。

アルバム全体としての起伏はあまりなく、割と似たような曲が全編続く。
曲が似ているので後半ダレを感じ始めるが、感じ始めた当たりでアルバムは終わる。
アルバムが短い分バランスが取れているとも言える。
このアルバムの短さも正に70年代のハードロックアルバムといった趣だ。

総評

演奏もしっかりとしていて、生のロックンロールのフィーリングを感じ取ることが出来るが、曲そのものは可もなく不可もなくな曲が多い。
どちらかというとこのオカルティックな雰囲気に浸るのがこのバンドの正しい聴き方のような気がする。
ヨハナのボーカルはスペシャルなものであることは確かで、その魅力的なボーカルをたっぷり堪能出来るというだけでこのアルバムは価値がある。
どの曲もしっかりとヨハナの強力なボーカルを前面に押し出していて、ヨハナありきのバンドだと言える。

70年代のオカルティックなハードロックバンドと聴いてピンと来る人、強力な女性ボーカルを探している人は聴いてみてもいいのではないかと思う。

点数

80点

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