ドイツと言えばHelloweenやPowerwolfがチャートで1位を獲り、世界最大規模のメタルフェス、ヴァッケン・オープン・エアが開催されるメタル大国。
ドイツ人の作るメロディは日本人の琴線に触れるものがあるようで、数多くのドイツのメタルバンドが日本でも人気である。
そんなドイツのメタルバンドの中でも、パワーメタルに絞りおすすめバンドを30組紹介する。
何せこのサイトはパワーメタルのサイトなのである・・・!
ドイツのメタルバンドの層の厚さを感じ取ってもらえると思う。
Helloween
パワーメタルの始祖と言えるバンド。
伸びやかでオペラティックなハイトーンボイスを持ったマイケル・キスク在籍時に、名盤キーパーシリーズを残した。
全パワーメタルバンドの原点はこのバンドとさえ言える、最重要バンド。
現在はマイケル・キスクが復帰し、アンディ・デリスとのダブルボーカルスタイルで活動中。
※Helloweenに関する記事はこちらから。
Gamma Ray
80年代、全盛期にあったHelloweenを脱退したカイ・ハンセン(ギター)が結成したバンド。
自分の曲が2曲しか採用されなかったフラストレーションから解放され、カイ・ハンセンワールドを初期から展開。
初期のボーカルは、ドイツのロブ・ハルフォードの異名を欲しいままにしていた、ラルフ・シーパース。
3rdアルバムを最後にラルフは脱退し、以降はカイ・ハンセンがギターとボーカルを兼任することとなった。
Masterplan
Helloweenを解雇されたローランド・グラポウ(ギター)と、ウリ・カッシュ(ドラム)が結成したバンド。
Helloweenよりもシリアスな雰囲気の正統派パワーメタルで、質はそれなりに高い。
初期は激ウマボーカリストのヨルン・ランデが在籍していた。
Blind Guardian
ハンズィ・キアシュ(ボーカル)率いる超有名バンド。
初期はHelloweenのフォロワーっぽかったが、大仰なクワイヤやオーケストラをフィーチャーし始め、独自の音楽性を開拓してきた。
ファンタジー小説をモチーフにした歌詞も個性的で、ヨーロッパでは今でも根強い人気を誇る。
Edguy
トビアス・サメット(ボーカル)率いるバンド。
Helloweenフォロワーではあるが、トビアスの持っているポップセンスも投影されて何処か洗練されている。
最近はトビアスは別プロジェクトであるAvantasiaのほうで忙しいようで、活動ペースは落ちている。
Avantasia
Edguyのトビアス・サメット(ボーカル)主宰によるメタルオペラプロジェクト。
マイケル・キスク、ジェフ・テイト、エリック・マーティンなどの著名ボーカリストが多数参加していて、ツアーまでする。
プロジェクトとしてスタートしたが、トビアスの本業になりつつある。
音楽性的に大きくEdguyと違いがあるわけではないが、こちらのほうがより幅が広く、パワーメタルだけにこだわっているわけではない。
Chroming Rose
以前存在していたパワーメタルバンド。
Helloweenタイプの陽性のメロディを特徴としたパワーメタルをやっていた。
2015年、Power and GloryをPowerwolfがカバーしたことで思わぬ注目を浴びた。
Heavens Gate
かつて活躍していたジャーマンパワーメタルバンド。
ギターのサシャ・ピートは現在はプロデューサーとして、様々なヨーロッパのメタルバンドと仕事をしている。
かつて日本のメタル雑誌BURRN!の表紙になったことがある。
Freedom Call
クリス・ベイ(ボーカル&ギター)率いるバンド。
Helloweenの持っていた陽の部分を抽出し、ヘヴィメタル愛をミックスさせたような音楽性で、根強い人気を誇る。
現Helloweenのサシャ・ゲルストナーが過去在籍していた。
クリス・ベイはソロアルバムも出していて、そっちはポップロックのような感じになっている。
Silent Force
1999年にアレックス・バイロットとDC・クーパー(Royal Hunt)によって結成されたバンド。
ネオクラシカルな要素や、プログレッシブな要素が入っている良質なバンドだった。
2013年には新たにマイケル・ボーマン(ボーカル)等を迎えて新作を発表した。
Primal Fear
Gamma Rayを脱退したラルフ・シーパースが、Judas Priestの後任オーディションに落選した失意の中、マット・シナーらと共に結成した正統派パワーメタルバンド。
ラルフの鋼鉄ボイスはこのバンドの音楽性にピッタりで、はっきり言ってGamma Rayよりよっぽどハマっている。
鉄壁のソングライターチームを有していて、楽曲のクオリティは年々上がっていっているように感じる。
Iron Savior
ピート・シールク(Vo/G)率いるピュアパワーメタルバンド。
ピートは過去にHelloweenの前身バンドであるIron Fistに在籍していた過去を持ち、Iron Saviorの初期にはカイ・ハンセンも在籍していた。
Running Wild
ロックン・ロルフ(Vo/G)率いるジャーマンメタル黎明期から活動している古参バンド。
初期はJudas Priestに影響を受けた正統派スタイルだったが、次第にパワーメタル色が強くなっていった。
戦争をテーマにした歌詞は、現在隆盛のバトル系メタルの元祖と言えるかもしれない。
Rage
ピーヴィー・ワグナー(ボーカル&ベース)率いるバンド。
ゴリゴリのパワーメタルスタイルだがメロディックでもあり、根強い人気を誇る。
コンスタントにアルバムを発表し、オリジナルアルバムは20枚以上にも及ぶ。
Powerwolf
コープス・ペイントをし、イメージ戦略も完璧な超人気パワーメタルバンド。
ミドルテンポを主体としたキャッチーな楽曲は、Sabatonにも通じる普遍性を持っている。
オペラティックで芝居がかったアッティラ・ドルンの歌唱や、宗教的なキーボードも個性的。
吸血鬼や狼がテーマの歌詞が多い。
ドイツでは2つのアルバムで1位を獲得した。
Grave Digger
こちらもジャーマンメタル黎明期から活動している古参バンド。
途中でポップになったりと迷走もしたが、現在まで地道に活動を続けている。
Accept
ジャーメンメタルの元祖と言っていい超有名バンド。
Helloween以前はジャーマンメタルと言ったら彼らだった。
バンドの看板シンガーであったウド・ダークシュナイダーが脱退してバンドは終わったかに見えたが、アメリカ人シンガーのマーク・トーニロを得て、2010年にアルバムBlood of the Nationsで完全復活を果たした。
無骨な正統派メタルだが、ウルフ・ホフマンのクラシックの素養が、バンドの音楽を特別なものにしている。
ウド・ダークシュナイダーのほうもバンドU.D.O.を結成し、現在も活躍中。
Terra Atlantica
トリスタン・ハーダーズ(ボーカル&ギター)率いるハンブルグ出身のメロディックパワーメタルバンド。
結成は2014年と比較的最近で、古今東西のパワーメタルが好きなんだなと思わせられる楽曲を作る。
まだ決定的なものは持っていないと感じるが、今後の注目株の一組。
At Vance
オーラフ・レンク(ギター)率いるネオクラシカル系パワーメタルバンド。
初期のボーカルは現在もソロで活躍中のオリヴァー・ハートマン。
Helicon
かつて存在していた、ウヴェ・ヒーペン(ボーカル)率いるパワーメタルバンド。
一般的には有名なバンドではないと思うが、個性的なウヴェの歌の魅力に取りつかれたマニアは存在していた。
ウヴェ・ヒーペンは2013年に死去している。
Axxis
現在でもドイツでは安定した人気を誇る、ベテランパワーメタルバンド。
キャッチーでメロディアスな歌メロを得意とし、良質な作品を30年以上コンスタントに送り出してきた。
メジャー感も結構あるし、ドイツ以外では過小評価されている感のあるバンドの一つ。
Axel Rudi Pell
かつてSteelerというドイツのヘヴィメタルバンドで活躍していたギタリストのソロバンド。
パワーメタルというよりは正統派寄りだが、歌メロ作りの上手さはドイツ人らしい。
現在まで精力的に活動していて、人気も十分。
Savage Circus
元Blind Guardianのトーメン・スタッシュが、Iron Saviorのピート・シールクと結成したバンド。
初期Blind Guardianのような、スラッシーなサウンドだが、メロディアスさもある音楽をプレイしている。
現在は脱退しているが、発表したアルバム2枚でボーカルを担当していたのはPersuaderのイェンス・カールソンで、彼のボーカルスタイルはハンズィ・キアシュ(Blind Guardian)とよく比較される。
Beyond the Black
結成は2014年と、比較的新しい女性ボーカルによるシンフォニック系パワーメタルバンド。
最新作Hørizønsはドイツで既に3位を記録していて、ツアーもヨーロッパを中心にたくさんこなしていている人気バンド。
モダンさもありつつ、ヨーロッパ的キャッチーさを支柱にした楽曲の質は高い。
女性ボーカリストのジェニファー・ハーベンの見た目の美しさもあり、この界隈では珍しく華のあるバンドである。
Brainstorm
結成は1989年と意外と古い、現在も活躍しているパワーメタルバンド。
典型的なパワーメタルバンドよりもシリアスで、ダークなスタイルを得意とする。
少しずつメロディアスになっていったような感じもあり、2018年発表のMidnight Ghostは名盤。
Wizard
Manowarへのドイツからの答えとも称されるバンド。
徹底的に無骨なヘヴィメタルであり、歌詞は戦いに関することが多い。
Majesty
自らの音楽をトゥルーメタルと称し、レザーに身を包んだ典型的なメタルバカバンド。
しかし楽曲のほうは、キーボードを取り入れた2000年以降のモダンさがあり懐古系ではなく、キャッチーなメロディ作りも得意とする。
Rebellion
2001年にGrave Diggerを脱退したウヴェ・ルイスが、元Grave Diggerのベーシストだったトミー・ゴットリッヒと共に結成したバンドで、エピックな正統派パワーメタルを特徴とする。
2010年にウヴェが脱退するが、その後もバンドは継続し、コンスタントにアルバムを発表している。
Chinchilla
1998年にウド・ゲルステンマイヤーによって結成された正統派パワーメタルバンド。
これと言った個性はあまりないが、真面目に作られているので結構聴ける。
現在は活動してない。
Beautiful Sin
元Helloweenのウリ・カッシュ(ドラム)がベルギーのシンガーであるマガリ・ルイテンと結成したバンド。
アルバムは1枚しか発表していないが、モダンなテイストの強いパワーメタルをやっていた。
HelloweenのThe Dark Rideでの音楽性を拡大したかのような感じでもあり、全曲のソングライティングをウリ・カッシュが担当していた。
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