Stratovariusは1985年結成のフィンランドのレジェンダリーパワーメタルバンド。
彼らの音楽性と言えばHelloween的なパワーメタルを基本とし、イングヴェイ・マルムスティーン由来のクラシカルなメロディを融合させたもの。
今では当たり前のスタイルの一つだが、当時としては新鮮で、ヨーロッパを中心に人気を博した。
ほとんどの曲を手掛けていた、中心人物のティモ・トルキ(ギター)は2008年に脱退するが、その後もメンバーを補充し、現在まで精力的に活動を続けている。
その長年の歴史の中から、個人的にベストだと思う10曲をセレクトしてみた。
発売順に紹介していく。
The Hands of Time
ティモ・トルキがボーカルも兼任していた時代の曲。
良いメロディを持ったパワーメタルチューンで、この曲を作ったことが、その後のStratovariusに相当影響を与えたであろうことが窺える。
垢抜けない2ndアルバムの中でこの曲は突出していて、Stratovarius流のパワーメタルはこの曲から始まったと言っても過言ではない。
歌詞には時間は戻せない、今を大切に生きるんだ、というティモのメッセージが込められている。
Forever
ヴァイオリンをフィーチャーした、物悲しくも美しい名バラード。
まさにヨーロッパのバンドにしか作れない叙情が味わえる逸品。
ティモ・コティペルトの線の細い歌声も、この曲にぴったりハマっている。
Black Diamond
イントロのハープシコードのアルペジオが超印象的な、彼らの代表曲。
ネオクラシカル系パワーメタルソングの中では、最高峰の曲と言えるだろう。
イェンス・ヨハンソンの個性的なキーボードソロも、この曲の魅力を更に引き立てている。
ハープシコードで中世風にクラシカルに終わるというのも完璧だ。
歌詞はティモ・コティペルト(ボーカル)が書いていて、魅力的な女性に出会い、誘惑に逆らえないというような、意外にも(?)恋愛系の歌詞となっている。
↑Black Diamondのライブ映像。
Destiny
名盤Destinyの表題曲で、大作にして名曲。
良メロがふんだんに使われていて、そもそもサビまでの展開が素晴らしいのに、その後の展開も凄い。
子供の声やヴァイオリンも使われ、徹底的に壮大な音作りにこだわっている。
後半はテンポが落ちて大円団なムードで終わり、サビに戻ってこないのもミソか。
S.O.S.
ミュージックビデオも作られた、名盤Destinyからの1曲。
子供の声から始まる、典型的な陽性のパワーメタルソング。
キャッチーなメロディ、スペイシーなキーボードと、彼らの特徴がよく出ている。
Hunting High and Low
S.O.S.の路線で更に完成度を高めたような、彼らの代表曲の一つ。
イントロのキーボードリフとサビが強烈にキャッチーな名曲。
ライブでも盛り上がり、最近では毎回ラストはこの曲が定番となっている。
この曲もティモ・コティペルトが作詞を担当していて、サビのメロディと、Hunting High and Lowの歌詞の組み合わせがばっちりハマっていて流石。
Mother Gaia
母なる地球の為に環境保護を訴える、壮大なバラード。
シンプルなバラードではなく、色々展開していくタイプのバラード。
Queenを彷彿とさせるピアノと歌だけになるパートや、ラストのストリングスが大々的に取り入れられた壮大な展開など、聴き所がたくさんある。
8分以上にも及ぶ大曲だが、退屈な瞬間は一切ない。
Eagleheart
この曲もS.O.S.やHunting High and Low路線の、陽性でキャッチーなパワーメタルナンバー。
やっぱりこういう曲が好きらしい。
とにかくこの曲はサビのメロディだろう。
本当にティモ・トルキは、分かりやすいキャッチーなメロディを作る天才だということが分かる。
Deep Unknown
ティモ・トルキ脱退後初めて作られたアルバム、Polarisからのシングルがこの曲だった。
新加入のマティアス・クピアイネンのペンによるもので、これは名曲。
従来のStratovariusらしさもなんとなく残してパワーメタルの体裁を保ちつつ、プログレッシブな要素が盛り込まれた新鮮な曲で、ソロもカッコいいし聴き所盛りだくさん。
歌詞はティモ・コティペルトが担当していて、トルキがいなくても俺達は新しい音楽を創造するんだ、という決意表明にも取れる。
そして新体制でも良い曲が書けるということを、この曲で証明したのだった。
↑Deep Unknownのミュージックビデオ。
Unbreakable
マティアスのペンによる、サビのフレーズが印象的なメロディックメタルナンバー。
トルキ時代にはあり得なかった、モダンなアレンジが新鮮。
間奏部分ではヘヴィなリフも登場する。
一般層にも良さが伝わるであろう普遍性を持った、トルキ脱退以降の代表曲だ。
↑Unbreakableのミュージックビデオ。
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