祖国フィンランドはオウルで行われたライブ映像を中心とした盛りだくさんな作品
フィンランドのメロディックメタルバンドSonata ArcticaのライブDVD。
2009年から2011年にかけて行われたアルバムThe Days of Graysに伴うツアーから2011年4月15日に行われたフィンランドはオウルでのショウを収録している。
当初はイタリアでの公演を収録する予定だったらしいが、大人の事情でこちらの会場に変更になったらしい。
その中身だが、流石世界中をツアーして回っているバンドだけあってしっかりとした演奏力で安心して聴けるライブ作品だ。
10曲目ではオリジナルのインスト曲も披露していて、ツーバスドラムの上でギターとキーボードが弾きまくる。
この曲を聴けば普段あまり目立たないソナタの楽器隊の地力を感じ取ることが出来る。
エリアスもヘンリクも楽しそうに演奏していて微笑ましい。
この曲を作曲したのはエリアスらしい。
トニーのボーカルはある一定の高音域以上からガナリを入れるような歌唱に変化していて、過去の曲もまた違った味わい。
3曲目のJulietではシアトリカルな曲に呼応してシアトリカルな歌唱を披露したり、新たな表現をどんどん披露している。
後半ではアコースティックパートも登場。
Mary-Lou、Shy、Letter to Danaの3曲のアコースティックバージョンが聴ける。(Shyは元々アコースティックだったが)
Mary-Louとは中々コアな選曲である。
トニーはギターの弾き語りをしているし、トミーはカホンを叩いている。
暗い照明の中5人の前に焚き木が設置されているので、まるでキャンプファイヤーをしているようで雰囲気がある。
ライブ全体ではパイロもそこそこ使われていて、2曲目The Last Amazing Graysの間奏では中々派手な爆破の演出がされている。
Disc 2では彼らがヘッドライナーを務めるSonata Arctica Open Air(2009年8月8日)の様子を3曲だけ収録。
彼らの地元の町ケミで行われたものである。
寒そうなケミの雰囲気が伝ってくるが、本人達は薄着なので混乱してくる。(寒さに強いのか)
映像の質は本編より遥かに劣るが、むしろライブ感はこちらのほうがあるかもしれない。
その他イタリアのミラノでのアコースティックライブ、ライブ撮影のドキュメンタリー、Flag in the Groundのメイキングビデオ、南米ツアーとフィンランド国内ツアーのドキュメンタリー、PV集、フォト集、Flag in the Groundカバーアートコンテストの応募作品紹介と盛りだくさんな内容。
ミラノライブは3曲収録しているが、これは本編と同じ選曲で演出もほぼ同じ。
ライブ撮影のドキュメンタリーは撮影クルーのインタビューなど。
トニーは人前でギターを弾くのは2回目で緊張していたらしい。
南米ツアーとフィンランドの国内ツアーのドキュメンタリーはツアー中の日常をトニーが撮影したもので淡々としたものではあるが、ソナタのツアーの生活感を感じることが出来るのでファンは嬉しいかもしれない。
Flag in the Groundのカバーアートコンテストはどれもレベルが高く、中々面白い。
世界中のファンからの熱い思いを作品から感じ取ることが出来る。
Disc 2含めるとかなりボリュームがあって見応えがあるのでファンには嬉しい作品だと思う。
ただソナタ自体が過渡期の作品なので、少しセットリストが中途半端な感じがした。
新しいプログレッシブ路線で行くのか、パワーメタルで行くのか、どっちつかずなのだ。
それと音が何故かのっぺりしていて、どうも臨場感が感じられないのがこのライブの最大の難点だ。
演奏自体は悪くないので、そこが勿体ない所である。
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