2021年5月7日発売
1. Overdrive
2. Let Loose Tonight
3. All On The Line
4. Running After You
5. Love Rain Down
6. Sonic Healing
7. Like No Other
8. Somebody’s Fool
9. To The Bone
10. Long Lost Rock & Rollers
トッドが若い頃から聴いてきたクラシックロックへの憧憬が投影されている
現Riot Vのシンガーであるトッド・マイケル・ホールの自身初となるソロアルバム。
NBCのヒットテレビ番組The Voiceの第18シーズンに出演し、全国的な人気を注目を集めたことをきっかけにソロアルバム制作へと駆り立てられたらしい。(その模様はyoutubeで見れる)
2020年のパンデミックの影響によって、彼のビジネスがストップしてしまい、その期間を使ってMetal Churchのカート・ヴァンダーフーフに連絡を取って一緒に曲作りのセッションを開始。
そうやって生まれた楽曲が本作に収録されている楽曲である。
彼が若い頃に聴いてきた音楽に敬意を表したアルバムのようで、Boston、Rush、Styx、Foreigner and REO Speedwagon、Triumphなどにインスパイアされたアルバムらしい。
その内容はどうなっているのか。
楽曲レビュー
#1“Overdrive”はオールドスクールなタイプのロック/メタルソング。
ちょっとDioっぽいフィーリングがあって、70年代や80年代初頭の雰囲気を醸し出す。
ロサンゼルスで撮影されたミュージックビデオが作られている。
#2“Let Loose Tonight”はこれまた昔懐かしいオールドスクールなリフで始まり、往年のロックの雰囲気を醸し出す。
ミドルテンポのロックンロールソングで良曲である。
歌メロも70年代風。
#3“All On The Line”もレトロな感じだが、サビがポップで明るく、Bostonを彷彿とさせる。
#4“Running After You”はアコギでバラード風に始まるが、その後はアップテンポになりポップなフィーリングの強い曲。
サビのメロディアスハードっぽいメロディアスな歌メロが印象的。
間奏のギターソロではかなり懐かしい雰囲気を醸し出す。
#5“Love Rain Down”はかなりレトロでブルージーなリフがフィーチャーされている曲。
これぞ往年のロックという感じの曲だ。
間奏のアルペジオによる展開は正にLed Zeppelinの世界。
トッドの歌唱もまるでロバート・プラントだ。
#6“Sonic Healing”はバキバキのベースで始まる表題曲。
ミドルテンポで淡々としているが、歌メロはレトロでオシャレな雰囲気を醸し出す。
サビではブルージーなリフがフィーチャーされている。
#7“Like No Other”はトッドのハイトーンボイスがフィーチャーされたロックナンバー。
普通のオールドロックソングという感じで、リフはやはりブルージー。
#8“Somebody’s Fool”はDef Leppardっぽい明るいロックナンバー。
サビではテンポが落ちてブルージーになる。
#9“To The Bone”はザクザクとしたリフで聴かせるミドルテンポ。
気だるい雰囲気があり、少し淡々としている。
ラストを飾る#10“Long Lost Rock & Rollers”はゴキゲンなロックンロールソング。
ギターソロも曲調に合わせてノリの良いソロを聴かせてくれる。
総評
なんでも歌える器用なトッドの魅力が凝縮されたアルバムだ。
Riot Vで素晴らしい歌唱力を披露しているトッドだが、このソロアルバムでの彼の歌唱はもっとパーソナルなフィーリングを持っていて、より深く彼の歌を感じることが出来る。
そしてトッドが若い頃から聴いてきたクラシックロックへの憧憬が投影されていて、フックのある良曲がいくつか収録されている。
様々なタイプのクラシックロックソングが収録されていて、ちょっとロックの博物館的な雰囲気もある。
丁寧に作られた良盤と言え、いつくかの曲のクオリティはかなり高いと感じた(後半はちょっと失速気味に感じたが)。
トッドの歌の上手さが光るアルバムで音楽もちゃんとしているが、それ以上でもそれ以下でもない感じもある。
個人的にトッドは器用だけどあまり声自体に魅力はさほど感じなく、いいシンガー止まりなのも分かる気がした。
歌モノ系クラシックロックが好きなら聴く価値はあるのではないかと思う。
点数
81点
お気に入り曲
Overdrive、Let Loose Tonight、Running After You
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