1. Shadowman
2. After You’re Gone
3. Down And Dirty
4. Godsent xtasy
5. Through The Fire
6. Heroes
7. Rio
8. Battlefield Of Love
9. Killer Queen
10. Only When I Breathe
フィンランドのメロディアスハードロックバンドの待望の2ndアルバム
デビューアルバムは2017年ながら、キャリアのあるメンバーが集まったフィンランドのメロディアスハードロックバンドの待望の2ndアルバム。
ボーカル&ギターのアンドレ・リンマンはSturm und Drangのボーカル&ギターでもある。
前作で既に完成され洗練されたメロディアスハードロックをやっていたが、今回はどうなっているのか。
結論から言うと今回も非常に洗練されたハードロックをやっていて、正にプロの仕事という感じの出来になっている。
楽曲レビュー
ミュージックビデオになっているAfter You’re Goneが素晴らしい。
やたらと耳に残るイントロのメロディが印象的な、哀愁漂うメロハーの名曲である。
別れた彼女に思いを馳せる歌詞も曲調にフィットしている。
Shadowmanも哀愁漂うコーラスを持った曲で、この曲もミュージックビデオになっている。
洗練されたアレンジが印象的だ。
間奏部分は少しJourneyのSeparate Ways (Worlds Apart)を彷彿とさせる。
Down And Dirtyは哀愁は少なめだがソフトで都会的なサビが展開され、モダン感がある。
このバンドは本当に洗練されている。
軽快なリズムのサビが心地良いGodsent Exstasyに続く5曲目がThrough The Fireという曲で、他の曲と少し趣きが異なりLed ZeppelinのStairway to Heavenを彷彿とさせる、少しブルージーな要素を感じる曲だ。
歌詞もパーソナルな感じで、アンドレ自身の生き方について歌ったような歌詞で、他の歌とテーマが違う。
(このバンドの歌詞は基本的に恋愛ものが多い)
このような曲をやれるところにこのバンドの懐の深さを感じる。
恐らく勝負曲ではないだろうか。
こういう曲が入っていることでアルバムに奥行きが出るというものである。
Heroesはタイトルのイメージ通り少し勇壮な雰囲気の感じられる曲。
これもカッコイイ曲である。
Rioは豊かなメロディが心地良い温かみのあるバラード。
Rioは7曲目だが、ここに来てバラードが初というのが意外である。
Celine DionのMy Heart Will Go Onに似ている箇所が気になるが(やたら耳に残る)、サビはフックがあり中々良い。
Battlefield Of Loveは恋人との喧嘩をテーマにしたような歌詞が面白い。
曲的にはまぁまぁといった所。
Queenの名曲と同名の曲K!ller Queenは何処かエロティックな歌詞が印象的だ。
サビの後半のメロディが非常に耳に残り、佳曲である。
アルバムは哀愁漂うバラード、Only When I Breatheで幕を閉じる。
総評
中々懐の深いハードロックが聴けるアルバムである。
プロダクションもアレンジも非常に洗練されていてモダンで、芋臭さは一切ない。
それでいてメロディにもフックがあり、隙がない。
そして意外とメタルの影響も強いハードなサウンドも内包していて、メロハーがソフトすぎてつまらないという人をも納得させる力も持っている。
ボーカルは線の細い部分はありつつも伸びやかな高音が気持ち良く、この音楽を表現するのに十分である。
最近ガツンと来るハードロックがないと嘆いている人、メロディアスハードはソフトすぎてつまらないという人は是非このバンドを聴いてみて欲しい。
豊かなメロディとハードなエッジを備えた良質な音楽がここにはある。
点数
87点
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