[レビュー]Nightwish – Endless Forms Most Beautiful

  


2015年3月25日発売


1. Shudder Before the Beautiful
2. Weak Fantasy
3. Élan
4. Yours Is an Empty Hope
5. Our Decades in the Sun
6. My Walden
7. Endless Forms Most Beautiful
8. Edema Ruh
9. Alpenglow
10. The Eyes of Sharbat Gula (instrumental)
11. The Greatest Show on Earth


ダーウィンの種の起源をテーマにした壮大な作品

NightwishはOnce以降ニューアルバムを作るに当たっての気合いの入り方が凡百のバンドと違うと感じる。
この作品もツォーマスのすべてを注ぎ込んだかのような壮大な作品で、細部までの作り込み方が尋常じゃない。

前作から3年と4ヵ月経っているが、ここまで作り込まれたらそれもしょうがないと思わせられる。
恐らく毎回前作を超えるべく制作しているので、アルバムごとにスケール感がどんどん更新されていくから凄まじい。

今作はダーウィンの種の起源をテーマにしたアルバムということで、知的なツォーマスらしい。
既にツアーで十分に馴染んでいるReVampのヴォーカリストであるフロール・ヤンセンと、 イーリアン・パイプ奏者として参加していたトロイ・ドノクリーを正式メンバーに迎えての初のアルバム。

やはり天才ツォーマスは健在で、強力なアルバムを作り上げてきた。

楽曲レビュー

#1“Shudder Before the Beautiful”はDark Chest of Wondersを彷彿とさせるアップテンポなメタルナンバーで掴みはバッチリ。
新鮮味はないのだが、疾走感溢れていて中々カッコいいナンバーである。

#2“Weak Fantasy”はゴリゴリな攻撃的ギターが印象的なダークで壮大な曲で、ライブで盛り上がりそうな曲だ。

#3“Élan”は先行シングルで、北欧らしい民謡調の物悲しいメロディが活かされた佳曲。
キャッチーさも備えていて、新たなNightwishのアンセムになりそうな雰囲気も感じる。

#4“Yours Is an Empty Hope”はメタリックなリフの攻撃的な曲で怪しげな雰囲気。
マルコとのツインボーカル曲で、マルコはグロウルも披露している。

#6“My Walden”は前作のI Want My Tears Backを彷彿とさせるイリアン・パイプが活かされた民謡調メロディが印象的でトラディショナルな雰囲気を感じさせるナンバー。

アルバムタイトル曲の#7“Endless Forms Most Beautiful”は前作のStorytime的な雰囲気のあるサビがキャッチーな曲。

#8“Edema Ruh”はイントロのキーボードからして往年のNighwishを彷彿とさせるメロウな曲。

#9“Alpenglow”はキーボードのリフメロディが非常に印象的で、この曲のキーボードの音色もまた2ndの頃の雰囲気を感じさせる。
サビもかっこ良く今作の個人的ハイライト。

#10“The Eyes of Sharbat Gula”は#11“The Greatest Show on Earth”の序曲とも取れる曲だが、この曲単体でも価値ありの素晴らしいインスト。

#11“The Greatest Show on Earth”はツォーマスのすべてを注ぎ込んだかのような24分にもなる超大作で、テーマとなるメロディが素晴らしい。
それまでの曲がこの曲の前菜だったのではないかとすら感じる。
完全に映画音楽的であり、この曲だけでもとてつもないトラック数を使っている。

総評

前作でディズニー映画のようなシアトリカルなサウンドを構築したが、今作ではOceanbornやOnceの頃のメタルな雰囲気が戻ってきている。
しかしやはりこの引き出しの広さはDark Passion Play以降のものだ。

アルバムを聴いた後に一本の映画を見たかのような満足感を得られるのは流石。
フロール・ヤンセンの歌唱力、表現力はやはり素晴らしく、Nighwishの世界観を忠実に伝えてくれる。

点数

90点

コメント

タイトルとURLをコピーしました