2021年5月7日発売
1. Vagabond
2. Back To Mad
3. Nightmares
4. Keep The Flame Alive
5. End Of The World
6. The Darker Side
7. I Believe
8. Save The Best For Last
9. Blind The Enemy
10. From White To Black
11. Striking Back
音から、ジャーマンメタルの誇りが感じられる
Avantasiaに参加していたり、最近ではFirewindのボーカルも務めているジャーマンメタルシンガー、ハービー・ランガンスの新しいバンド、Sonic Havenのデビューアルバム。
ハービーがほとんどの曲を書きデモを作り、それを他のメンバーに送り各々が自宅で録音して完成させたと言う。
(2曲のみギターのカルステンが作曲している)
ミックスとマスターはジャーマンHR/HMシーンの名プロデューサー、サシャ・ピートが担当している。
ハービーとしてはドラディショナルでメロディックで、ハードロックの要素のあるパワーメタルを目指したらしい。
彼が以前在籍していたSinbreedで似たような音楽性のバンドをやっていたが、そっちで鳴かず飛ばずだったのでこっちで再起を図る、ということなのかもしれない。
その内容はどうなっているのか。
楽曲レビュー
#1“Vagabond”は人とは違うクリエイティブな人達に送って書いたという曲。
コテコテのアップリフティングなジャーマンメタルで、アルバムからの1stシングル。
ミュージックビデオも作られた。
2#“Back To Mad”はスペーシーなキーボードが取り入れられた、80年代テイストを感じさせる曲。
メロディアスでフックのあるナンバーで、浮遊感がある。
#3“Nightmares”はサビが妙に耳に残る、アップテンポでキャッチーなナンバー。
明るい雰囲気でポップなフィーリングも持っている不思議な曲。
間奏ではツインギターが炸裂。
#4“Keep The Flame Alive”はドラマティックでシンフォニックなイントロがカッコいいメロパワナンバー。
夢に向かって突き進む人を応援するような歌詞が良い。
サビは明るくジャーメンメタルらしい展開。
ツインギターのハモりがカッコイイ#5“End Of The World”に続く#6“The Darker Side”はヘヴィでダークなリフを持った曲。
歌詞もメロディもダークで、このアルバムの異色曲と言える。
2回目のサビの後ちょっとテンポが上がり、変化をつけている。
最後はまた元のテンポに戻る。
#7“I Believe”はドラマティックで勇壮なイントロが名曲の予感を感じさせる。
今でも夢を追い求めることを誓う歌詞が熱い。
歌メロも勇壮でカッコよく、ギターソロも良い。
個人的にこのアルバムのハイライト。
#8“Save The Best For Last”はドラマチックで明るいバラード。
彼が参加しているAvantasiaっぽい、メジャー感のあるバラードに仕上がっている。
#9“Blind The Enemy”はゴリゴリ系パワーメタル。
メロディアスでもある典型的なジャーマンパワーメタルナンバー。
#10“From White To Black”はリフは奇妙な感じだが、歌メロはメロディアスハードっぽい明るいナンバー。
このリフと、後半のダークな歌メロパートがギリギリメタルっぽさを保っているような曲。
ラストを飾る#11“Striking Back”も典型的なゴリゴリ系ジャーマンパワーメタル。
彼らのこのバンドへの決意のようなものを感じさせる歌詞が熱い。
ヘヴィメタルへの愛を感じる1曲だ。
総評
思ったより明るい雰囲気の曲が多いアルバムだった。
ジャーマンメタル的な明るさというより、メロディアスハード的な明るさが全編を支配しているのが意外だ。
お得意のゴリゴリ系パワーメタルも勿論多く収録されているが、もっと幅広く様々な曲調の曲が収録されているのが印象的なアルバムだ。
ハービーの強力な歌声は今作でも健在。
どの曲でもハービーの熱い歌唱が堪能できる良盤であるのは間違いない。
彼のハスキーでパワフルな歌声は本当に素晴らしく、こういうメロディックなパワーメタルにピッタリの逸材である。
音から、ジャーマンメタルの誇りが感じられる。
どの曲にもハービーの力強いメッセージが乗せられていて、聴いていて熱くなる。
ジャーマンメタル好きならチェックしておいて損はないバンドだ。
点数
84点
お気に入り曲
Back To Mad、Nightmares、Keep The Flame Alive、I Believe
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