1. Alpha & Omega
2. I Walk to My Own Song
3. I’m Still Alive
4. Season of Faith’s Perfection
5. Awaken the Giant
6. Know the Difference
7. Luminous
8. Dreamweaver
9. Liberty
新境地を開拓しつつも彼らのカタログでは最も地味な印象のアルバム
エレメンツ2部作の後編となるアルバム。
前作のジャケットでは火と水を表現していたが、このアルバムでは風と土を表現している。
ディレク・リッグスによるこのジャケットはカッコイイが、中身はStratovariusのカタログの中で最も地味なアルバムかもしれない。
楽曲レビュー
まず掴みがあまり良くない。
1曲目から重厚な雰囲気のミドルテンポ曲からスタートする。
今までのパターンからすると意外性があるが、楽曲的に特筆するべき部分はなく、キャッチーさに欠ける。
強いて言うなら神目線のような歌詞は面白いけど。
勿論良い曲も少なくない。
#2“I Walk to My Own Song”はシングルになったこのアルバムの中ではキャッチーなナンバー。
ポップさもあるHunting High And Lowタイプの曲。
しかしあまり華はなく一見地味なメロディの曲だが、ちゃんと聴けば良く出来た曲であることが分かる。
サビの裏メロのキーボードのアレンジが印象的だ。
フィンランドのシングルチャートで9位を記録している。
#3“I’m Still Alive”もかなりカッコイイ。
定番の疾走パワーメタル系の曲で、演奏からバンドのパワーを感じることが出来る。
歌メロに少し意外性があり、新鮮さも感じる曲だ。
ネオクラシカルパワーメタルナンバーの#6“Know the Difference”も素晴らしい。
意外と最近ネオクラ的要素が薄くなってた気がするので嬉しいナンバーだ。
やはりこういう曲こそStratovariusだと思う。
しかしこのアルバムの最大のハイライトは#7“Luminous”と#9“Liberty”だろう。
#7“Luminous”は浮遊感のあるメロディ、仄暗くも優しく穏やかなアレンジが印象的な曲。
今までにないタイプの新境地的曲だ。
#9“Liberty”はラストを飾る希望的な雰囲気溢れるバラード。
まるで童謡のような分かりやすいメロディが印象的だ。
子供が合唱で歌っていても違和感のない普遍的魅力を持った曲だ。
ストリングスがピースフルな雰囲気を演出している。
この2曲からは癒しを感じることが出来、メタルバンドの曲とは到底思えない意外性がある。
Stratovariusの特殊さを示している2曲と言えるだろう。
総評
そんな良い曲も収録しているアルバムだが、#5“Awaken the Giant”や#8“Dreamweaver”などのミドルテンポの曲の出来が悪く、アルバムの印象を悪くしている。
ミドルテンポの曲は似たような凡曲が多く、ちょっとEpisodeの頃の時代に退化したようにも感じる。
更に定番のキャッチーな曲やパワーメタルチューンもこれまでと比べると弱く、アルバム全体に地味な印象のあるアルバムだ。
今思えば前編のパート1は良い曲が入っていたんだなと思い知らされた。
しかしアルバムの後半に収録されている今までにないタイプの光る楽曲の存在は、この作品を簡単に凡作と切り捨てられない理由である。
実力のあるミュージシャンを有しているバンドだけに、そこらのバンドでは辿り着けない高みに未だに君臨していることは確かだ。
点数
83点
お気に入り曲
Liberty
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