1. Lord of the Rings
2. Fire Dance Suite
3. Guitar Concerto (Joaquín Rodrigo)
4. Northern Lights
5. Capriccio in A Minor (Niccolò Paganini)
6. Back to the Ice Age
7. Death of a Swan (Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
8. Soldiers Prayer
9. Flying Samir
10. Sunwinds
11. Greensleeves (traditional)
元Stratovariusのティモ・トルキの初となるソロアルバム。
元Stratovariusのギタリストでソングライターだったティモ・トルキの初となるソロアルバム。
インストカバーが4曲、歌モノ曲が2曲(ティモ・トルキが歌唱)、その他はオリジナルインストという微妙な構成のアルバム。
かなり自由に作られたアルバムという印象で、オリジナルのインスト曲は作り込まれたというよりは即興で思い付いたものを録音したようなイメージだ。
そのインストにはあまりいいものはないと感じたが、歌モノの2曲はそこそこの出来で、ティモ・トルキの才能を感じさせる。
楽曲レビュー
そのうち1曲はFire Dance Suiteという曲でツーバスドコドコのアッポテンポなリズムにティモ・トルキのハイトーンと、初期Stratovariusのアルバムに収録されていても全く違和感のない曲だ。
というかそもそもこの楽曲は1986年にStratovarius用に作られた楽曲らしい。
間奏のクラシックなギターフレーズがハイライトだ。
もう1曲のSoldiers Prayerはミドルテンポのハードロックナンバーで、ギターのバッキングなどの雰囲気はモロStratovarius。
歌詞は戦争での兵士の心情を歌っている。
インストカバーのほうだが、これは一貫して叙情的なメロディが印象的なクラシック(伝統的)ナンバーが選出されている。
ティモ・トルキの楽曲に通じるものがある楽曲ばかりで、他のオリジナル曲と混じっていても全く違和感はない。
どの曲も元がいいのでどう編曲しても良くなる素材だが、ティモのアレンジはより寂しさ、物悲しさを強調したようなアレンジで、いかにもティモ・トルキらしい。
基本的にはギター1本で表現していて、あくまでシンプルなアレンジにこだわっている。
初めに書いた通りオリジナルのインスト曲はあまり特筆すべき曲はないのだが、1曲目のLord of the Ringsは中々悪くない曲だ。
いかにも北欧の音楽という感じの叙情性が心地良い。
このアルバムの北欧感を印象付けている楽曲だ。
ヘヴィなギターサウンドが入ると途端にStratovariusっぽくなる。
総評
総評としては自身の作曲の影響元へのトリビュートと共にティモ・トルキの心象風景が描かれたアルバムと言えるだろう。
収録時間も36分と短く非常に緩い雰囲気のアルバムではあるが、北欧の叙情感と寂寞感をたっぷり感じることが出来るので、ティモ・トルキの世界観が好きな人なら十分楽しめるだろう。
このアルバムでもティモ・トルキの陰鬱でありつつキャッチーなソングライティングの片鱗を見せてくれる。
しかし一般のパワーメタルファンが聴くと肩透かしを食らう可能性は高い。
メタル的なカタルシスはこのアルバムにはほとんどないと言える。
正直Stratovariusのアウトテイク集と言われても納得してしまうかもしれない。
ちなみにキーボードとドラムの録音には初期Stratovariusのメンバーだったアンティ・イコーネンとトゥオモ・ラッシーラが参加している。
それもあってかこのアルバムには初期Stratovariusのヴァイヴがかなり含まれている。
点数
80点
コメント