2020年1月17日発売
1.Goodbye Divinity
2.Wither to Black
3.Asphyxiation
4.Desolate July
5.King of Delusion
6.Fall to Ascend
7.Resurrection Day
8.New World Today
凄まじい演奏力を披露するも多少の器用貧乏感もあるアルバム
音楽の神アポロの息子たちという自信過剰なバンド名のスーパーバンドの2ndアルバム。
前回のアルバムのワールドツアーは83公演にも達したそうで、その総まとめとして去年はライブ作品も発表している。
数多くのライブ経験を経てバンドとしてのまとまりがより高まった中で、更に勢いに乗るべく届けられたのがこの2nd。
前作はこのジャンル界隈では名の知れたそれぞれのメンバーの演奏を最大限に活かしたヘヴィなプログレッシブハードロックが展開されていたが、このアルバムはどうなっているのか。
楽曲レビュー
#1は浮遊感のあるモダンなロックサウンドが印象的な佳曲。
分かりやすいキャッチーなサビを持っていて、挨拶代わりの1曲。
ミュージックビデオになったのも納得の出来だ。
#3は途中からメンバーの超絶技巧が聴けるドリームシアター系のプログレッシブメタルナンバー。
しかしあくまで歌モノの体裁を保つ。
#4はダークで叙情的なピアノでスタートするパワーバラード。
テンポは遅いがリフはヘヴィだ。
デレクのキーボード処理がスペイシーな雰囲気を演出している。
#5は#4から曲間なしでデレクの緊張感のある生ピアノから始まり、その後モダンでヘヴィなリフへと展開するプログレッシブナンバー。
#7は音階を上下するギターフレーズによるリフが印象的なスリリングなナンバー。
そしてラストの#8はお決まりの大作ナンバー。
途中からテンポが変わり激しくテクニカルな展開になるが、途中から更に超絶楽器バトルへと展開する。
大作を練り上げる力があるのは分かるがそんなに印象的なフレーズがあるわけではないので流れていってしまう所がある。
総評
前作と概ね同じ路線だと感じたがよりプログレッシブな世界に入り込んでいる。
メンバーの演奏力は申し分なく、今作もそれぞれの実力を確かに感じ取ることが出来るが、楽曲に突出した力がないのでそれなりに留まっている。
2ndにして早くもマンネリ感を感じる部分もあり、凄腕メンバーが遊んでいるだけという印象から逸脱することがない。
前作はよりハードロック寄りだったこともあり演奏の勢いでどうにかなっていたが、プログレ度が高いと曲作りに多少の不満が出てくる。
とはいえプログレッシブメタルのファンや前作を気に入った人が十分に楽しめることは確かな作品で、彼らのファンががっかりすることはないと言える。
そしてアルバムから演奏の凄み、臨場感を感じ取ることが出来ることも確かで、このバンドの本領はライブなのだとも思う。
彼らの本当の凄みを感じたいのならライブへ行くべきなのだろう。
点数
81点
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