1. THE HOWLING DARKNESS
2. FLAMES OF RAGE
3. HOLD ON
4. BLEEDING SANITY
5. SEE THE LIGHT OF FREEDOM
6. WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)
7. DEEP AFFECTION (2021 Re-Recorded Version)
8. EVERLASTING (2021 Re-Recorded Version)
混沌としたコロナ禍の中で、Galneryusから届けられたスペシャルアルバム
日本のメロディックパワーメタルバンド、Galneryusのスペシャルアルバム。
フルアルバムではなくミニアルバム的な位置付けで、混沌としたコロナ禍の中で人々に希望を与えよう、という想いの元制作されたらしい。
新ドラマーLEAが加入しての初の音源となる。
いつも通り殆どの曲の作曲を、ギターのSyuが手掛けている(1曲のみYUHKI作曲)。
楽曲レビュー
1曲目のTHE HOWLING DARKNESSから、ブラックメタルかというダークなイントロに驚かされる。
ブラストビートまで登場しアグレッシブだが、メロディはやはりキャッチーだ。
こういう曲をやっても、最後はメロディアスにまとめる所はやはりGalneryusらしい。
間奏ではお得意の、変拍子のテニクニカルな展開が登場。
プログレメタルの影響も受けているのが彼らの特徴だ。
#2“FLAMES OF RAGE”は去年行われた配信ライブで初披露された曲。
この曲もアグレッシブに始まるが、その後はメロディアスなGalneryusらしい展開を見せる。
怒りを感じさせつつも人々を鼓舞するような歌詞は、やはりコロナ禍からインスパイアされたのだろう。
楽曲的には平常運転のガルネリ流パワーメタルと言える。
#3“HOLD ON”はJ-POPチックなイントロが印象的な、YUHKI作曲のナンバー。
というかこのこの曲はほぼJ-POPで、サビがとてもキャッチーだ。
アレンジもオシャレな雰囲気を醸し出し、メタルの要素は薄い。
VETELGYUSでやっていた路線に近い曲と言える。
しかしプログレメタルの影響もやはりある。
ライブ映えしそうな、ノリの良いサビを持った#4“BLEEDING SANITY”に続く#5“SEE THE LIGHT OF FREEDOM”は、初期ソナタアークティカを彷彿とさせるような、清涼感のあるパワーメタル的イントロ(リフ)が印象的なナンバー。
これは典型的なパワーメタルソングだろう。
しかしサビになると急に歌謡曲っぽくなり面白い。
サビ後のドラマティックな展開は流石だ。
小野さんによる歌詞はモロにコロナ禍のことで、人々に希望を与えようというストレートな歌詞が心に響く。
ミュージックビデオも作られた#6“WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)”はサビが強力で、バンドの新たな名曲と言える。
このアルバムで突出しているキラーチューンはこの曲であると断言する。
サビで使われているキャッチーなこのメロディは、Syuが何処かでいつか使おうと温めていたものらしい。
確かにこのサビは秀逸で印象に残り、筆者はしばらくこのメロディが頭から離れなくなってしまった。
ミュージックビデオも下のほうに貼っておいたので、是非聴いてみて欲しい。
展開も色々盛り込まれていて、今回この曲にすべてを注ぎ込んだとさえ思える。
サビだけではなくBメロ~サビへの流れも秀逸で、Lead meの部分がやけに印象に残る。
この曲の歌詞もコロナ禍についてのようで、Syuの手よるもの。
#7“DEEP AFFECTION”と#8“EVERLASTING”は、ボーカルがYAMA-Bだった時代の曲のリレコーディングバージョンで、アレンジ的にはほぼ変わっていない。
Syuによるとただ小野さんの声で音源として残しておきたかっただけらしい。
J-POPらしいキャッチーさを持った#8“EVERLASTING”はやはり良曲だなと改めて思った。
総評
1曲目のTHE HOWLING DARKNESSがダークでアグレッシブな曲で驚いたが、全体の音楽性としては通常運転と言える。
最初はダークに始まり、最後は光が見えポジティブな雰囲気でアルバムが終わるように作ったらしい。
Galneryusのファンだったという新加入のLEAも、前任者FUMIYAと変わらぬテクニカルさを見せつけている。
そしてこのスペシャルアルバムの目玉はやはりWHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)だろう。
このキラーチューンが収録されているだけでも、このアルバムには価値がある。
J-POP、歌謡曲の影響が自然に取り込まれた、日本人にとって聴きやすいバンドだと再確認した。
それをテニクカルヘヴィメタルスタイルにしたのが彼らで、斬新な音楽性に海外のファンも増えつつあるようだ。
なお、初回限定盤には去年行われた配信ライブの模様が収録されたDVDが同梱されている。
点数
83点
お気に入り曲
WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)
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