1. Future Shock
2. False Messiah
3. Black Night
4. Witch-Hunt
5. Fire Dance (instrumental)
6. Fright Night
7. Night Screamer
8. Darkness
9. Goodbye (instrumental)
ダイヤの原石と言える楽曲を聴くことの出来る、彼らの貴重な1stアルバム
1989年に発表された記念すべきStratovariusのデビューアルバム。
この頃から突出したパワーメタルをやっていたかというとそうではないことがこのアルバムから分かる。
ハロウィン+イングヴェイというStratovariusの基本スタイルは既に見られるが、Rainbowのようなハードロックバンドの影響も色濃く、まだまだクオリティは高くない。
後の煌びやかなパワーメタルではなく、陰鬱な雰囲気を纏ったハードロックと言った感じだ。
楽曲レビュー
オープニングを飾る#1“Future Shock”はモロにHelloweenのI’m Aliveを彷彿とさせるナンバー。
Helloweenの影響を多大に受けていることがこの曲から読み取れる。
このアルバムの中ではキャッチーな曲で、インパクトがある。
ギターソロも緊張感があって良い。
#3“Black Night”はメタルというよりリフを伴い疾走するハードロック系の曲で、Rainbowのような曲。
この頃のStratovariusはまだハードロック系からの影響も強い。
あまりStratovariusらしくない曲だが、これはこれでカッコイイ。
#4“Witch-Hunt”もハードロックっぽいリフを持った曲だ。
ベースが目立っていて、少しIron Maidenっぽいフィーリングがある。
#5“Fire Dance”はちょっと大仰な雰囲気のインストナンバー。
早弾きで主張している所が若者らしい。
#7“Night Screamer”は疾走するダブルベースドラム、ネオクラシカルなギターと、後のStratovariusがやっていてもおかしくないようなナンバーである(まだまだクオリティは低いが)。
アルバムは#9“Goodbye”という哀愁漂うアコースティックギターによるインスト曲で幕を閉じる。
このアルバムでは浮いている程に叙情性を感じさせ、個人的にこのアルバムで一番好きかもしれない。
総評
まだまだクオリティはたいしたことないが、確かにこれらはティモ・トルキの楽曲だ。
ティモ・トルキならではの陰鬱な雰囲気は既に見られ、後のStratovariusの原石のような曲がたくさん聴ける。
この時代専任ボーカルはまだ存在せず、ギターのトルキがボーカルも担当している。
あまり声質は良くなく、決して上手いボーカルではないが味はあり、この音楽を表現するのには及第点と言った所。
ハイトーンもしっかり出ている。
ギターはイングヴェイの影響が強く、ハーモニックマイナースケールの早弾きで主張している。
雰囲気は良いし、楽曲の質は決して低くなく悪いアルバムではないので、Stratovariusの原点に興味のある方は一度聴いてみても良いのではないかと思う。
しかしまだB級と言えばB級だし、マニア向けと言えばマニア向けなので、決して一般のメタルファンにはオススメ出来ない。
Stratovariusの原点を知ることが出来るという歴史的価値という意味で、このアルバムは存在価値がある。
点数
70点
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