2021年に発売されたメロスピ/パワーメタル系バンドのアルバムの中でおすすめのアルバムを紹介しようと思う。
ここに挙げられているアルバムは筆者が2021年によく聴いた印象に残ったアルバムである。
メロスピ系バンドだけを聴いているわけではないので、他のメタルのサブジャンルのアルバムのおすすめもここでまとめて紹介する。
2021年のメロスピ/パワーメタルアルバムのおすすめアルバム(発売順)
Bloodbound – Creatures of the Dark Realm
メロディアスで質の高いパワーメタルを求めている人にお勧めしたいのがこのBloodbound。
SabatonやPowerwolfに代表されるミドルテンポで歌メロを主軸としたパワーメタルスタイルを得意としている。
曲作りを担っている中心人物のフレドリック・バーグ(Key)はメロディアス・ハードロックバンドStreet Talkもやっていて、そのメロディ作りの上手さは折り紙つきである。
たっぷりと重ねられたコーラスによるシンフォニックで大仰なサウンド、たくさん取り入れられているフォーキッシュなメロディと、ヨーロッパの美学がサウンドに映し出されている。
Helloween – Helloween
やはり2021年のメロスピ/パワーメタルシーンで最も注目を集めたアルバムと言えばこのアルバムだろう。
メロスピの名盤キーパー1&2を作った当時のHelloweenに在籍していたマイケル・キスクとカイ・ハンセンが復帰してのアルバム。
当時のマジックが幾らか蘇っていることに驚かされた。
そして誰もメンバーが脱退することなく現在のメンバーにプラスという形で復帰したので、現在のHelloweenらしさが基盤になってもいる。
単純にいい曲が多いしカイ・ハンセンのアレンジの妙が深みを加えているので、長く聴ける名盤に仕上がっていた。
Powerwolf – Call of the Wild
Helloweenと同郷、ドイツ出身のPowerwolfの新譜も相変わらず素晴らしかった。
強烈にキャッチーな歌メロを主軸とした曲作りのセンスが光っている。
彼らのトレードマーク的なサウンドがいつも通り繰り広げられているが、フォーキッシュなBlood for Blood (Faoladh)など新機軸も取り入れられていた。
Beast in Black – Dark Connection
Beast in Blackの3rdアルバム、Dark Connectionも強力なアルバムだった。
サイバーパンクをテーマにしたこのアルバムにはキャッチーなメロディがたくさん詰まっている。
キーボードがたくさん入っていて軟弱になりそうな所だが、しっかり正統派パワーメタルとしてのバランスが保たれているのが素晴らしい。
ユーロビート/イタリアンディスコ的サウンドがフィーチャーされたOne Night in Tokyoは名曲。
Insania – V (Praeparatus Supervivet)
スウェーデンのパワーメタルバンドInsaniaが14年ぶりに新作を出したのは嬉しいニュースだった。
そしてその新作は全く変わっていない当時のままのサウンドで、ちょっとノスタルジックさをも感じさせる内容であった。
2000年あたりのメロスピブームの時にはこういう音のバンドがたくさんいたが、今では逆に希少になってしまった。
クサメロで疾走する本当に分かりやすい直球のパワーメタルアルバムで、このジャンルのファンなら聴いておいて間違いのないアルバムだ。
他のメタルのサブジャンルのおすすめアルバム(発売順)
Motorjesus – Hellbreaker
ドイツ出身で、母国ではそこそこ人気があるらしいこのバンド。
Motörheadが引き合いに出されることが多いようだが、音的にはかなりメロディックでキャッチーなヘヴィメタルでもあるので、パワーメタルファンも気に入る可能性が高いと思われる。
スピーディーでもあり、ヘヴィメタルとしての爽快感と無骨な男らしさを兼ね備えた良いアルバムである。
Crypta – Echoes Of The Soul
ブラジル人とオランダ人の混成メンバーによるガールスデスメタルバンドCryptaのデビューアルバム。
ボーカル&ベースのフェルナンダ・リラとドラムのルアナ・ダメットはNervosaではスラッシュメタルをプレイしていたが、このバンドがやっている音楽はオールドスクールなデスメタル。
最早もっとエクストリームな音楽がたくさんある今のメタルシーンにおいて、彼女達が出している音はむしろマイルドにすら感じるから面白い。
それは思いの外ギターがメロディアスな部分があり、メロデスの領域に足を踏み入れているからかもしれない。
サタニックだが、何処かこの娘達いい娘達なんだろうなという品の良さが感じられるデスメタルアルバムだ。
Iron Maiden – 戦術(原題:Senjutsu)
もうあまりにもベテランなのであまり期待していなかったのだが、これが意外に素晴らしかった。
もう誰がなんと言おうと関係ない、俺達は俺達の好きなことをやり続けるんだ、という開き直りを感じさせるアルバムだ。
そしてその内容はかなり深く、何度も聴かなければ咀嚼出来ないようなアルバムだが、理解出来た時にはその質の高さに驚くだろう。
孤高のバンドであるIron Maidenの孤高性を更に高めるような深淵なアルバムだが、おすすめである。
KK’s Priest – Sermons of the Sinner
元Judas PriestのK.K.ダウニングがティム”リッパー”オーウェンズ(ボーカル)らと共に新たに結成したバンドのデビュー作。
K.K.ダウニングはJudas Priestに戻りたかったようだがそれが叶わないということで結成されたこのバンド。
K.K.ダウニングのJudas Priest愛が伝わってくるような、正に正統派なヘヴィメタルが展開されている。
齢70を過ぎても前に進む決断をしたK.K.ダウニングを素直に応援したい気持ちで、ここに選ばさせて頂いた。
Crazy Lixx – Street Lethal
スウェーデンのグラムメタルバンドCrazy Lixxの7thアルバム。
80’sリスペクトここに極まりで、最早往年のグラムメタルバンドのような風格を漂わせている。
彼らにとってアメリカがいかに特別なのかを伝えているAnthem For Americaは彼らの新しいアンセム。
彼らがいる限りロックンロールの未来は明るい。
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