Stratovarius – Twilight Time[オリジナルアルバム全レビューシリーズPart1-2]

  


1. Break the Ice
2. The Hands of Time
3. Madness Strikes at Midnight
4. Metal Frenzy (instrumental)
5. Twilight Time
6. The Hills Have Eyes
7. Out of the Shadows
8. Lead Us into the Light


光る楽曲は収録されているもののまだB級感の強いアルバム

北欧のパワーメタルバンドStratovariusの日本での知名度を上げた2ndアルバム。
前作では垢抜けない北欧ハードロック/ヘヴィメタルをやっていたが、今作では魅力的な独自のスタイルを確立しつつある。

楽曲レビュー

それが表れているのが、なんと言ってもファンからも人気の高い#2“The Hands of Time”だろう。
彼ら流のメロディックパワーメタルがここから始まったと言える彼らの初期の代表曲だ。
分かりやすくキャッチーなメロディと共にツーバスドラムで疾走する楽曲は明らかにハロウィンを参考にしているが、ストラトらしい哀愁成分が多分に注入されていて、独特の個性を放っている。

Stratovariusのこの後のキャリアはこの曲のアイディアを元にして展開されていったと言っても過言ではなく、バンドの歴史的な意味でも転換点となった曲だろう。
この曲が収録されているだけでもこのアルバムを聴く価値があると言える。

#7“Out of the Shadows”も注目すべきナンバーだ。
あまりクオリティは高くないのだが明るくポップなメロディが印象的で、後のHunting High And Lowの原石のような曲だ。

#1“Break the Ice”はメタルらしい硬質なリフが印象的なハードなナンバー。
ティモ・トルキの振り絞ったように出すハイトーンがカッコイイ。

#3“Madness Strikes at Midnight”はイントロが少し長いが、無実の罪で捕らわれ刑務所で長年過ごした男の復習といった感じの内容の歌詞が面白い。
ダークな曲の雰囲気とマッチしている。

#4“Metal Frenzy”はザクザクとしたギターの刻みによるインスト曲だが、はっきり言ってつまらない。

#6“The Hills Have Eyes”もメタルらしいリフは悪くないのだが、いかんせん歌メロがつまらない。
ラストを飾る#8“Lead Us into the Light”はストラトらしい叙情的なバラードではあるが、全く印象に残らない。

総評

はっきり言ってこのアルバムの楽曲は#2と#7以外はパッとしないと言える。
(#1と#3も悪くはないが)
これがこのアルバムの最大の問題点だろう。
いくらなんでもこの打率の低さでは、アルバムとしての完成度は高いとは言えない(勿論#2が収録されているという点でこのアルバムには価値があると思うが)。

ティモ・トルキの得手不得手がはっきり出ているアルバムで、やはりティモ・トルキはパワーメタルソングを作る才能が突出しているのだろう。
ハードロックやヘヴィなリフを中心とした曲のクオリティが低いのだ。

総評としては前作のC級寄りのB級レベルからは抜け出たものの、まだまだバンドとしては垢抜けていないと言える。
しかしポテンシャルは確かに感じることが出来、このアルバムからじわじわと人気が出始めたのも納得できる。
叙情的でダークなキーボードの使い方は印象的で、このバンドの陰鬱な面を表現していて、正に北欧メタルと言った音像を構築している。
この北欧然とした哀愁を味わえるのはこのバンドの魅力である。
独特の個性は放ちつつもまだまだ粗削り、そんな印象のアルバムである。

点数

78点

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