[必聴]北欧のメロスピバンド5選

メロスピと言えばドイツのHelloweenが創始者であるメタルのサブジャンル。
激しいダブルベースドラムの上でメロディアスなメロディをハイトーンで歌い上げるそのスタイルは、それまでの屈強さを主張するメタルのイメージとはまた違うメタルのイメージを作り上げました。
HelloweenがKeeper of the Seven Keys: Part IとKeeper of the Seven Keys: Part IIで完成させたそのスタイルは後に世界中に広がり数多くのフォロワーを生み出しました。
特に北欧ではHelloweenのスタイルに影響を受けたバンドが数多く登場しました。
北欧は日照時間が短くて寒い土地柄のせいか元々メランコリックな音楽を生み出す土地でした。
その北欧の人達の気性とメロスピが合わさり、北欧のメロスピはまたドイツとは違う叙情的なものになりました。
その叙情性は日本人の感性にもピッタリ合っていて、フィンランドのStratovariusを筆頭に多くの北欧のメロスピバンドが日本で人気を博しました。
今回はその中でも特に筆者がオススメしたい北欧のメロスピバンド5選とそれぞれのバンドのおすすめアルバムを紹介したいと思います。

Stratovarius



フィンランドのStratovariusは当初はBLACK WATERというバンド名でハードロックをやっていましたが、1985年に後に中心メンバーとなるギターのティモ・トルキが加入し次第に人気を博しました。
初期はギターのティモ・トルキがボーカル&ギターを担当していましたが、1994年に選任ボーカリストのティモ・コティペルトが加入しバンドの音楽のレベルが明らかに上がりました。
彼の線は細くも物悲しげなボーカルはこの音楽を表現するのにピッタリでした。
極めつけは1995年のイェンス・ヨハンソン(Key)とヨルグ・マイケル(Key)の加入。
当時から業界では実力派として有名だった2人が加入したことによりバンドのアンサンブルが更に明らかにレベルアップ。
全盛期を迎えました。
彼らのイチオシアルバムは1997年発表のVisionsです。
ティモ・トルキのソングライティングは全盛期を迎えていて捨て曲は一切ありません。
(その後に発表されたDestinyやInfiniteも良いアルバムです。)
彼らの代表曲Black Diamondも収録されています。
ネオクラシカルで叙情的なキーボードのリフとツーバスドラムが合わさった名曲です。

Sonata Arctica



フィンランドのSonata Arcticaは前身のハードロックバンドTricky Beansが1995年に結成されたことが始まりです。
トニー・カッコ(Vo&Key)(後にボーカルのみに専念)が加入し、音楽に満足していなかった彼が作曲の主導権を握ることとなります。
初期はメロスピではなくハードロックバンドでしたが1997年にStratovariusがVisionsを発表し、その音楽に衝撃を受けたトニーは彼らの音楽に影響を受けたスタイルで作曲を始めます。
その選択は正解でレコード会社と契約を結ぶことが出来、徐々に人気を博していきます。
特に日本では初期から爆発的人気を獲得し、2000年代のメロスピブームの立役者となっていきます。
彼らのイチオシアルバムは衝撃的なデビューアルバムEclipticaです。
Stratovariusに影響を受けたことが明らかなサウンドスタイルですが、更に劇的とも言えるメロディライン、若さ溢れる疾走感は明らかに次世代のものでした。
捨て曲は一切なくすべての曲がシングル化可能なほどのとてつもないクオリティがこのアルバムにはあります。
時代と才能が上手く噛み合った奇跡の作品だと思います。

Nocturnal Rites



スウェーデンのNocturnal Ritesは初期はデスメタルバンドとして活動していました。
音楽性がメロディックな路線にシフトしてからはメロスピに適したボーカルスタイルだったアンダース・ザックリソンが加入しました。
そして初期に出したアルバムではHelloweenから影響を受けたメロスピを演奏していました。
後に正統派なヘヴィメタルスタイルに傾倒していく彼らですが、1999年に発表されたThe Sacred Talismanは現在でもメロスピの傑作アルバムの一つとして知られています。

Insania



スェーデンのInsaniaは1992年にミッコ・コースバック(Dr)とヘンリック・ヤハーノ(Gt)によって結成されました。
彼らの演奏するメロスピはある意味類型的で新鮮なものではありませんが、その歌謡曲にも通ずるようなベタで馴染みやすいメロディは日本人には合っています。
オススメアルバムは2001年発表のSunrise in Riverlandです。
これも北欧の哀愁をたっぷり感じることの出来るドラマティックなメロディ満載の作品です。
Heading for TomorrowのサビがHelloweenのEagle Fly Freeそっくりだったり、Sunrise in RiverlandのサビがGamma RayのMan on a Missionにそっくりだったり影響元が露骨なのですが、この音楽が好き過ぎるが故だと許してしまうところがあります。
彼らからは確かなメロスピ愛を感じることが出来、どうにも憎めないバンドなのです。

Majestica



Majesticaはスウェーデンのトミー・ヨハンソン(Gt&Vo)が率いるメロスピバンドで、以前はReinXeedの名前で活動していました。
アルバムを6枚出し精力的に活動していましたが、2013年のアルバムA New Worldを最後に沈黙していました。
その間トミーはSabatonにギタリストとして加入しつつ、再起の時を伺っていたようです。
2019年にMajesticaと改名しサウンドもパワフルになって帰ってきました。
復活アルバムのAbove the Skyはスケールアップしたプロダクションによるトミーのメロスピの理想郷です。
間を空けただけあって充実の楽曲を収録しています。
元Helloweenのウリ・カッシュがレコーディンに参加している点も注目に値する点です。(正式メンバーではない)
2020年には初の来日公演も実現しました。

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