Sabatonの新曲Christmas Truceが素晴らしすぎる件について


10月29日に発表されたSabatonの新曲Christmas Truceにハマっている。
実際の歴史上の戦争について歌っていることで有名なスウェーデンのパワーメタルバンドSabatonだが、この曲では第一次世界大戦中の1914年にドイツとイギリスの兵士達の間に起こった「クリスマス休戦」について歌っている。


戦争の最前線で戦っていた兵士達がこの時は戦争のことを忘れ、敵の兵士達と一緒にクリスマスを祝ったのである。
ミュージックビデオではピアノまで塹壕間の無人地帯に持ち込まれていて流石にこれは誇張だろうが、実際にそこでサッカーの試合が行われたり、酒、タバコなどの品物やサインの交換が行われたのは事実のようだ。

記念写真の撮影や、両軍の戦死者の合同埋葬式も行われたらしい。
これ以降はこのような行為は禁止とされたが、残酷で悲惨な戦争の中にあっても人間らしさが垣間見えるエピソードとして今でも語り継がれている。

ミュージックビデオもそれに合わせて作られていて、これが出色の出来。
まず曲自体が素晴らしい。
ピアノによるイントロが物悲しさを感じさせるが、メロディが非常に美しい。

ヨアキムの歌が入ると、物悲しさはマックスに。
サビでは「今日俺たちは皆兄弟、今夜俺たちは皆友達」と希望的なメロディに乗せて歌う。
相変わらずキャッチーなSabaton節炸裂のメロディで、また新たな名曲が一つ生まれたことを感じさせる。


ミュージックビデオはハリウッド映画ばりの本格的な夜の戦争シーンから始まる。
この部分に戦争の凄惨さが十分に表現されている。
メンバーはそれぞれ兵士に扮し、しっかりと演技している。

エンドクレジットによるとハネス、ヨアキム、パルがドイツ兵を、クリスがイギリス兵を、トミーがフランス兵を演じているようだ(イギリスとフランスは連合を組んでいたので同じグループ)。

そして朝になり映し出される死体の山。
そのシーンからヨアキムのピアノによるイントロに繋がっていく。
ヨアキムは雪の降る中ピアノを弾いているが、これが非常に美しいシーンとなっている。

サビでは実際にあった両軍の兵士達がサッカーをして楽しんだり、品物の交換をしているシーンが描かれていて、感動的なシーンとなっている。
ミュージックビデオ一つまで徹底的にこだわり、人を感動させることにも妥協がないSabatonというバンドの凄さが凝縮されている。

この曲は来年3月発売の新作The War to End All Wars(第一次世界大戦をテーマにしたコンセプトアルバム)に収録されている楽曲の一つということだが、この曲がアルバムのいいアクセントになっていることは容易に想像出来る。
この曲を聴きながらニューアルバムThe War to End All Warsの発売を楽しみに待とうと思う。

ちなみにこのミュージックビデオのエンディングクレジットでオペラティックな歌声を披露しているのは現Nightwishのフロール・ヤンセンである。

SABATON – Christmas Truce (Official Music Video)

↑ Sabatonの美学が凝縮されているChristmas Truceのミュージックビデオ。

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